監督の似合わない金髪が悪い(20世紀少年)

堤幸彦監督いわく、マンガを完全にコピーしたという「20世紀少年」。絵面だけみれば確かにコピーと言えると思うけど、肝心の魂がぽっかり抜けた抜け殻のような映画だった。完全にコピーしたならこんなにつまらなくなるはずがない。。

世代的には少し下の世代で、大阪万博にもロックにも思い入れはないけど、物語のベースとなるべき、この二つの要素を完全に切り捨てている時点でこの映画は失敗だと思う。普通の子供があこがれる大人の世界の感じ、普通に成長して普通の大人になってしまった感じを表現できず、そのために、そんな普通の人間が巨大な謎の組織に巻き込まれていく恐怖が全く感じられないし、仲間たちがそんな普通の人間にひかれて集まってくるポイントであるはずの、主人公の古き良きロックへの思いの扱いが軽すぎるため、主人公の魅力がなくなっている(妙なパンクにすり替えられたりしてるし)。そこに、全くメリハリがなく過度な演技(演出)が加わって、全く感情移入ができなかった。

若い世代にも見てもらうために、この要素を抜いてしまったのだとしたら、大きな間違いだと思う。そのせいで、全く地に足が付いていない上っ面だけをコピーした映画になってしまった。まるで監督の地味な風貌のてっぺんにそれより下とは明らかに相容れない七三分けの金髪のよう。

何度も無理やり原作を思い出して気持ちを高ぶらせるも、限界。。映画が原作と同じである必要は全くないけど、原作の魂も抜かれ、新しく映画の魂を込めてるわけでもない、典型的な悪い例。本当にこの映画に原作者の浦澤直樹は満足してるんだろうか。。というか脚本にも参加してるなんて信じられないけどなあ。。



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